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しかし、先生が心血を注がれた本財団を、この困難な状況下で立ち止まらせるわけには参りません。
ご承知の通り、本財団は皆様のご支援のもと、数多くの臨床試験を通じて本邦のエビデンス構築に寄与してまいりました。しかしながら現在、財団を取り巻く財政状況は極めて厳しく、新規研究の立ち上げや企業からの支援減少という未曾有の困難に直面しております。私は、この逆境においてこそ、本財団が長年築き上げてきた「知の集積」の真価が問われていると考えております。
これまで私は、「研究論文支援委員会」において未公表データの論文化(データの救済と社会還元)に注力し、また「データベース事業支援委員会」では、蓄積された大規模試験のデータベースを統合解析することで、数多くの新たなエビデンスを世に送り出してまいりました。
これらの活動を通じて確信しておりますのは、「既存の膨大なデータを深化させることは、新規試験にも劣らない価値を生む」ということです。新規研究の道を探ることはもとより、財団に眠るデータを徹底的に利活用し、臨床的・社会的な成果としてアウトプットし続けることも、極めて重要であると信じております。
ステークホルダーの皆様には、本財団を単なる助成の対象としてではなく、共にがん治療の未来をデータから切り拓く「戦略的パートナー」として、改めてご期待とご支援を賜りたく存じます。私自身、理事として財団の透明性と実効性を高め、寄付や支援が確実ながん医療の進歩に直結する体制づくりに邁進いたします。
微力ながら、皆様のご指導を仰ぎつつ、本財団の再生と発展に全力を尽くす所存です。何卒、格別のご支援とご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
横浜市立大学附属病院 副院長 大学院医学研究科 消化管外科学 主任教授 吉川 貴己
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