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 日頃より公益財団法人がん集学的治療研究財団(JFMC)の活動に温かいご支援を賜り、誠にありがとうございます。6月を迎え、梅雨の気配を感じる季節となりました。

 本号では、第7代理事長に就任された佐治重豊先生、ならびに新たに理事に就任された吉川貴己先生より、皆さまへのご挨拶をお届けいたします。

 また、当財団のデータベース事業支援委員会による研究成果として、JFMC35試験データのGPC(generalized pairwise comparisons)解析結果が国際学術誌『The Oncologist』に掲載されましたので、ご紹介いたします。

 本号もぜひ最後までご覧いただき、当財団の活動に引き続きご関心をお寄せいただけますと幸いです。 

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当財団「理事長」への就任についてのご挨拶
 

 この度、山岸久一理事長の長期病気療養に伴い、その職務補役として、本年2月に「副理事長」に就任させて頂きました。しかし、山岸理事長先生の病状が急変し、本年4月18日に逝去されました。財団全職員・理事の皆様の痛恨の痛みでございます。現在、財団存続の危機にあるとの判断で、15年間と言う長きに亘り、理事長を務めた経験から、私、佐治重豊に一時的に理事長籍を担当した方がスムーズとの考えで、バトンタッチ頂いたとの解釈で、第7代目理事長に着任させて頂きました。

佐治重豊先生

 私は、既に86歳と高齢ですが、過去の理事長在任中は、がん薬物療法に関する臨床試験の最盛期、多くの業績を重ねてきました。しかし、ディオバン事件で臨床試験が困難となり、同時に最近のがん治療のパラダイムシフトで、遺伝子解析による個別化治療の時代に突入し、免疫チェックポイント阻害剤や細胞増殖遺伝子阻害剤等を用いた「推奨治療」がエキスパートパネルやGCP会議で決定される時代を迎え、臨床試験の意義が激変しています。

 問題は、ゲノム解析で「推奨治療法有り」の恩恵を受けられる幸運な患者さんは、20%前後と少なく、残りの多くの患者さんは現在も「暗中模索中」であります。当財団は創設時以来、「がん患者さんに安らぎと安心感を与えるがん薬物療法の開発」を目指して多くの臨床試験を企画し、同時に啓蒙をふくめた市民公開講座等を実施して来ました。

 世間は、トランプ関税やイランとの戦争状態で経済不況に伴う混迷の時代ですが、今こそ、心機一転・粉骨努力する必要があり、がん集学的治療研究財団一丸となり、決意を新たにしています。それ故、多方面から積極的な発言や提言・支援を宜しくお願い申し上げます。皆様方のご支援・ご指導を賜り、強力な力に転換致しますので、宜しくお願い申し上げます。

岐阜大学名誉教授 がん集学的治療研究財団副理事長
佐治 重豊

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当財団「理事」への就任についてのご挨拶
 

 新緑の候、皆様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。 私こと、この度、公益財団法人 がん集学的治療研究財団(JFMC)の理事を拝命いたしました。

 就任にあたり、まずは先般急逝されました前理事長・山岸久一先生に対し、謹んで哀悼の意を表します。長きにわたり財団を支えられた山岸先生を失ったことは、我々にとって筆舌に尽くしがたい損失であり、未だ深い悲しみの中にあります。

吉川貴己 先生

 しかし、先生が心血を注がれた本財団を、この困難な状況下で立ち止まらせるわけには参りません。

 ご承知の通り、本財団は皆様のご支援のもと、数多くの臨床試験を通じて本邦のエビデンス構築に寄与してまいりました。しかしながら現在、財団を取り巻く財政状況は極めて厳しく、新規研究の立ち上げや企業からの支援減少という未曾有の困難に直面しております。私は、この逆境においてこそ、本財団が長年築き上げてきた「知の集積」の真価が問われていると考えております。

 これまで私は、「研究論文支援委員会」において未公表データの論文化(データの救済と社会還元)に注力し、また「データベース事業支援委員会」では、蓄積された大規模試験のデータベースを統合解析することで、数多くの新たなエビデンスを世に送り出してまいりました。

 これらの活動を通じて確信しておりますのは、「既存の膨大なデータを深化させることは、新規試験にも劣らない価値を生む」ということです。新規研究の道を探ることはもとより、財団に眠るデータを徹底的に利活用し、臨床的・社会的な成果としてアウトプットし続けることも、極めて重要であると信じております。

 ステークホルダーの皆様には、本財団を単なる助成の対象としてではなく、共にがん治療の未来をデータから切り拓く「戦略的パートナー」として、改めてご期待とご支援を賜りたく存じます。私自身、理事として財団の透明性と実効性を高め、寄付や支援が確実ながん医療の進歩に直結する体制づくりに邁進いたします。

 微力ながら、皆様のご指導を仰ぎつつ、本財団の再生と発展に全力を尽くす所存です。何卒、格別のご支援とご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

横浜市立大学附属病院 副院長 
大学院医学研究科 消化管外科学 主任教授
吉川 貴己

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JFMC35試験データのGPC解析結果が論文化されました

 データベース支援委員会では、ベルギーの受託研究企業であるOne2Treat SAと臨床データの新しい解析手法(GPC)について共同研究を行っていましたが、先月JFMC35試験のGPC解析結果がThe Oncologistに公開されました。

https://doi.org/10.1093/oncolo/oyag081

 GPC(generalized pairwise comparisons)は群間比較の新しい手法で、有効性、安全性など複数の評価項目を総合的に評価することが可能です。JFMC35試験ではRFSを主要評価項目とし、UFTに比べS-1が有意であることを証明しましたが、今回、GPC解析を用いて、RFS、グレード3以上の自他覚症状、グレード3以上の臨床検査値異常を第一、第二、第三の評価項目として総合的に評価し、S-1の方がUFTに比べ8.8%有利(Net Treatment Benefit: NTB=8.8、p=0.014)であることを示しました。

 一般的な臨床試験では主要評価項目一つで薬剤の価値を決定してしまいますが、実臨床では有害事象など、その他の評価項目も薬剤選択の大きな判断材料になります。GPC解析は複数の評価項目を総合的に判断することが可能であり、patient-centric benefit-risk assessmentとして今後の臨床研究で価値が高まってくると考えています。

 データベース事業支援委員会では今後も共同研究を続け、GPC解析の有用性を示していく予定です。

 
JFMC事務局便り

 梅雨の候、皆さまにおかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

 今号では、新理事長ならびに新理事からのご挨拶をお届けいたしました。当財団にとって本年は大きな節目の年となりましたが、改めて創設以来受け継がれてきた理念と使命を見つめ直す機会となっております。

 当財団はこれまで、多くの先生方、研究者、医療関係者、企業・団体の皆さまのご支援のもと、数々の臨床試験を実施し、本邦におけるがん医療の発展に寄与してまいりました。その過程で蓄積された研究成果やデータは、単なる記録ではなく、未来の患者さんへつながる貴重な社会的資産であると考えております。

 今回ご紹介したJFMC35試験データのGPC解析結果も、そのような研究資産の活用によって新たな知見が生み出された成果の一つです。臨床研究を取り巻く環境が変化する中にあっても、既存データの利活用を含め、多様な形でエビデンスの創出と社会還元を進めていくことが、これからの財団に求められる重要な役割であると認識しております。

 財団を取り巻く環境は決して平坦なものではありませんが、がん患者さんとそのご家族に貢献するという創設以来の志を胸に、役職員一同、研究支援と情報発信に努めてまいります。

 今後とも変わらぬご支援、ご指導を賜りますようお願い申し上げます。

 
YouTubeチャンネル・各種SNS「いいね!」「フォロー」お願いいたします!

 当財団の活動について、患者様や一般の方向けに、日々情報発信を行っております。またSNSを通して患者さんや、がん医療に関する活動をされている団体さんや、一般の方との出会いも広がり、当財団の活動へのご支援も頂いております。ぜひ、「フォロー」や「いいね」をお願い致します。
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JFMC刊行物「がん集学財団ニューズ」「がん治療のあゆみ」
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 『がん集学財団ニューズ』『がん治療のあゆみ』を通して、当財団の様々な活動をご紹介しています。
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財団ニューズ45表紙 がん治療のあゆみ44表紙

 バックナンバーもぜひお読みください。(財団ホームページ内)
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 引き続き、不定期に<がん集学財団メールマガジン>をお届けいたします。
 次回のお届けをどうぞお楽しみに!

 最後までお読みくださりありがとうございました。
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