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日頃より公益財団法人がん集学的治療研究財団(JFMC)の活動に温かいご支援を賜り、誠にありがとうございます。5月も半ばを過ぎ、新年度の活動も本格化してまいりました。

当財団におきましては、本年4月、理事長 山岸久一が逝去されました。

改めて生前のご尽力に深く感謝申し上げるとともに、その遺志を継ぎ、がん医療の発展に寄与すべく取り組んでまいります。

本号では、そうした思いも込め、直近の活動をご紹介いたします。

山岸先生
山岸理事長の元で進めらた財団の歩みと研究成果
 
公益性と透明性を軸とした財団運営

2021年6月、山岸久一先生は当財団理事長に就任されました。

就任にあたり掲げたのは、公益財団法人としての「透明性の維持」と「公益性の確保」であり、研究環境を取り巻く社会的・制度的な変化の中においても、患者さんのためになる治療法の開発と研究支援を着実に推進していく姿勢でした。

製薬企業からの支援の在り方が変化しつつある中であっても、研究の継続性を確保し、社会的信頼に応え続ける。その基盤づくりは、山岸理事長のもとで改めて強く意識されてきた点の一つです。

がん臨床研究の基盤を守り、育てる取り組み

当財団が長年取り組んできたがん治療研究の推進においても、その歩みは着実に続けられてきました。進行中であったJFMC46、47、48、51の4つの研究のデータ収集・集計が終わり、学会発表、論文の形で研究成果が次々と世に出され、その都度、実臨床に大きなインパクトを与えてきました。

データベース事業においては、過去に行われた大腸がん術後補助化学療法に関する複数の臨床試験データが統合され、そのデータを用いた共同研究が国内/海外で実施されました。近年ではその研究成果が論文として報告されています。

これらの取り組みは、薬剤治療のみならず、副作用対策や再発予防といった幅広い視点から患者さんにとってよりよい治療を追求するという、当財団の理念を体現するものといえます。

再生医療領域への挑戦と新たな可能性

近年の取り組みの中で特筆すべきは、再生医療領域への展開です。

2024年には、当財団の事業目的に幹細胞を用いた再生医療が新たに加えられ、従来のがん治療研究に加え、認知症やALSといった難病に対する新たなアプローチの支援が開始されました。 特に、脂肪組織由来幹細胞(ADSC)を用いた治療に関する取り組みは、これまでの延長線上にとどまらない、新たな領域への挑戦として位置づけられます。

これにより、当財団の活動は「がん治療」にとどまらず、より広い意味での医療の可能性を探求する方向へと広がりを見せています。

社会への発信と理解の促進

研究支援に加え、その成果や可能性を社会に伝えていく取り組みも進められてきました。

再生医療をテーマとしたWEBセミナーの開催や動画コンテンツの公開など、一般の方々にもわかりやすく情報を届ける活動が展開されています。

2023年には「がんフェア2023 ~AYA世代と共に~」を東京体育館で開催し、若い世代にも「がん」を正しく知ってもらうための体験型イベントを実施しました。AYA世代の乳がん経験者によるトークイベントや、医師・看護師による講演、がん患者さんの生活や就労に関する企画など、多様な視点から“がんと共に生きる社会”を考える機会づくりが行われました。

さらに2026年には、市民公開講座「乳がんを知る ― 正しい理解が治療の第一歩 ―」を開催し、乳がん治療・研究の最前線を担う井本滋先生による講演に加え、乳がん経験者や患者支援活動を行う登壇者によるパネルディスカッションなどを実施しました。検診の重要性や妊孕性、医師とのコミュニケーションなど、多角的な視点から乳がんへの理解を深める場となり、約100名が参加しました。

これらの活動は、研究を「支える」だけでなく、「社会とつなぐ」という役割を担う財団としての姿勢を体現するものであり、医療の未来に対する理解と関心を広げる重要な取り組みといえます。

これからに向けて

山岸理事長のもとで進められてきたこれらの取り組みは、当財団の今後の方向性を形づくる重要な基盤となっています。

 「患者さんのために」という一貫した視点のもとで築かれてきた研究支援のあり方と、新たな領域への挑戦は、これからの活動においても引き継がれていきます

当財団は今後も、その志を受け継ぎながら、がん医療の発展と患者さん・ご家族のQOL向上に寄与する取り組みを続けてまいります。

 
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