LOGO
 

 日頃よりがん集学的治療研究財団の活動へのご理解やご支援を賜り、誠にありがとうございます。

 7月に入って各地で猛暑日が続き、熱中症警戒アラートが発令されています。暑さ対策、水分や電解質の補給を欠かさず、体調管理には十分留意していきたいですね。

 今月のメールマガジンは、当財団の理事および医療機器委員会委員長の谷下 一夫先生に寄稿いただきました。ぜひ、最後までご覧ください。

 
 
columnlogo
医療機器によるがん治療
医療機器委員会 委員長
谷下 一夫 先生
がん集学的治療研究財団 理事
(一社)日本医工ものづくりコモンズ 理事長
谷下先生

 2023年に厚生労働省から発表された人口動態統計によると、日本人の主な死因別に見た死亡率では、悪性新生物と心疾患による死亡が増加しており、特に悪性新生物による死亡がダントツで、2023年では、人口10万人に対して、300名を超えている。

 昭和40年頃では、100名程度であったので、約50年で、3倍に増えている。因みに心疾患は、令和5年では190名程度である。さらに部位別のがん死亡率の推移を見ると、肺がんが増加の一途をたどっており、2014年では、人口10万人に対して、90名近くになっている。肺がんの原因として喫煙が挙げられるが、日本人の男女とも喫煙率は緩やかに減少している。

 このようながん死亡の推移に関する医学的見解に対しては、本財団のがんの専門家の先生方に伺う事として、ここでは医療機器による肺がんの治療に関して、最近の話題を提供したい。

 筆者は、一般社団法人日本医工ものづくりコモンズで、医工連携による医療機器開発支援の活動に取り組んでいる。その活動の一つが、国立国際医療センター(NCGM)とコモンズとが共催して行っている海外医療機器の最新動向勉強会(MINCの会)である。この勉強会は、2017年に始まり、年に4回の頻度で勉強会を開催している。

 取り上げる医療機器開発の記事は、オルバヘルスケアホールディングス株式会社が発刊しているMedical Globeという医療機器の情報誌から毎回2~3件選んで、NCGMの診療科の医師から解説とコメントを頂き、それに対して討論を行っている。医師の方からのコメントが極めて鋭く、本質を突いているので、医療機器開発の立場から極めて有意義であるため、医療機器関係者の間で定評のある勉強会となっている。

 2025年3月の勉強会で、転移性の非小細胞肺がん治療として開発された交流電場腫瘍治療システム(スイスのノボキュア社が開発)が米国で市販前承認を取得したという記事が取り上げられた。経皮的に低強度の交流電場を負荷する事で、腫瘍細胞の細胞分裂を選択的に阻害し、最終的に細胞死を引き起こす。正常細胞には大きな影響を与えないため、副作用は殆ど生じないという夢のような治療法である。ただこの治療法は、一般的な抗がん剤との併用という事であるが、この記事に対して呼吸器外科の先生は、画期的な治療だと絶賛されていた。

 がん治療としては、外科手術、抗ガン剤、放射線照射が主流であるが、この記事のように低強度の交流電場を負荷するという放射線ではない物理的な刺激による治療法が出現する時代になり、何とか肺がんの死亡率増加を食い止める一因になって欲しいと願うばかりである。

 
 
her2logo
理事・監事・評議員の改選のお知らせ
アイキャッチ

 2025年度第15回評議員会、第45会理事会において、評議員、理事、代表理事、監事をそれぞれ選任し下記の方々が就任されました。

【会長】
 藤田  讓 元 朝日生命保険相互会社 社長
【理事長】
 山岸 久一 京都府立医科大学 名誉教授
【常務理事】
 市川 大輔 山梨大学 医学部 外科学講座第一教室 教授
【理事】
 井本  滋 杏林大学医学部付属病院 乳腺外科 教授
 宇山 一朗 藤田医科大学 先端ロボット・内視鏡手術学 主任教授
 河野 浩二 福島県⽴医科大学 医学部 消化管外科学講座 主任教授
 今野 弘之 浜松医科大学 特別顧問
 三枝  稔 学校法人 先端教育機構 理事
 瀬戸 泰之 国立がん研究センター中央病院 病院長
 谷下 一夫 一般社団法人 日本医工ものづくりコモンズ 理事長
 松原 久裕 千葉大学 名誉教授
【監事】
 杉原 健一 光仁会 第一病院 院長
 松本 謙一 サクラグローバルホールディング株式会社 代表取締役会長
【評議員】
 相羽 惠介 戸田中央総合病院 腫瘍内科 部長
 池田 徳彦 東京医科大学 呼吸器・甲状腺外科学分野 主任教授
 石岡 千加史 JR仙台病院 院長
 大辻 英吾 京都第一赤十字病院 病院長
 掛地 吉弘 神戸大学大学院 医学研究科 外科学講座 食道胃腸外科学分野 教授
 北川 雄光 慶應義塾大学 医学部 外科学 教授
 桑野 博行 遠賀中間医師会 おかがき病院 院長
 土岐 祐一郎  大阪大学大学院 医学系研究科 外科学講座 消化器外科学 教授
 平木 隆夫 岡山大学 学術研究院 医歯薬学域 放射線医学 教授
 藤原 俊義 岡山大学 学術研究院 医歯薬学域 消化器外科学 教授
⇒ がん集学的治療研究財団組織詳細
 
 
YouTubeチャンネル・各種SNS「いいね!」「フォロー」お願いいたします!
 当財団の活動について、患者様や一般の方向けに、日々情報発信を行っております。またSNSを通して患者さんや、がん医療に関する活動をされている団体さんや、一般の方との出会いも広がり、当財団の活動へのご支援も頂いております。ぜひ、「フォロー」や「いいね」をお願い致します。
アイキャッチ画像
 Instagramでは、「遺族に言ってはいけない言葉7選」がもっとも多く視聴されました。引き続き、皆さまが知りたいお役立ち情報を発信できるよう努めてまいります。以下のアイコンより各SNSにアクセスいただけます。
facebook facebook facebook facebook
 引き続き、不定期に<がん集学財団メールマガジン>をお届けいたします。次回のお届けをどうぞお楽しみに!
⇒ がん集学的治療研究財団ホームページ
お問い合わせ先・その他
 本メールマガジンは、当財団の臨床試験にご参加頂いているご施設の先生方、役員、委員、ご寄付者・賛助会員・イベント・展示会等で当財団職員がお会いして名刺交換させていただいた方々へお送りしています。
  • 新規メールマガジン登録・配信先メールアドレスの変更は こちら から
  • 当財団のプライバシーポリシーは こちら から
  • メールマガジンバックナンバーは こちら から
  • 今まで行われた当財団の臨床試験一覧については こちら から
    (詳細がPDFでご覧いただけます)
 
発行:公益財団法人 がん集学的治療研究財団
住所:〒136-0071 東京都江東区亀戸1丁目38番4号 朝日生命江東ビル3階
電話:03-5627-7593
FAX:03-5627-7595

[配信停止]
メールの受信をご希望されない方は、こちらよりお手続きお願いいたします。

Copyright (C) 公益財団法人 がん集学的治療研究財団 All rights reserved.