現行治療の限界と再生医療への期待
講厚生労働省の発表によると、2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると言われており、大きな社会問題となっています。認知症のうち、アルツハイマー型認知症は約2/3を占めると言われていますが、治療方法は確立されていません。
現在、認知症治療薬として処方されているアセチルコリンエステラーゼ阻害薬や、最近ニュースでも取り上げられているレカネマブなどの治療薬は、認知症症状の進行を遅らせる効果はあるものの、認知症を治すことはできません。根本的な治療方法は確立されていないのです。こうした状況の中で、山岸先生は薬物以外の治療方法に着目しました。そして幹細胞を用いた再生医療により認知症の症状が改善することを発見したのです。