常務理事

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常務理事:桑 野 博 行

歴史と伝統のある、そして我が国のがんの臨牀と研究さらに教育・啓蒙に多大なる貢献を重ねてきた、「公益財団法人 がん集学的治療研究財団」の理事、ならびに常務理事を、令和3年6月の理事会において、引き続き拝命致しました。
 わが国の臨床研究の置かれた状況も必ずしも楽観視できない社会環境が続く中、松本晃前理事長、並びに山岸久一前会長のご尽力とご貢献にここで改めて、心から敬意と感謝を申し上げます。また、今回新たに理事長として引き続きご指導いただく山岸久一先生および新会長にご就任いただきました藤田讓先生のリーダーシップのもとに、監事の先生方のご教示を賜りながら、理事、評議員そして事務職員の皆様とともに、当財団の更なる発展と、公益財団法人としての社会的使命を真摯に考えながら、我が国のがん医療とがん研究の推進をとおして医学界さらには社会への更なる貢献を目指してまいりたいと、心を新たに致しております。
 さて、前述いたしました厳しい客観情勢の中、この度の新規の体制のもとに、当財団が従来から取り組んでまいりました様々な対応策を引き続き前に進めるとともに、新たな試みも模索しつつ事業を推進してまいります。臨床研究に対しては、平成29年4月7日に成立し、平成30年4月1日から施行された、「臨床研究法」の下に、ルールに則った、より厳密かつ丁寧な運用と管理が求められ、国民の信頼に資する臨床研究を展開する重要性がさらに増してまいりました。当財団としても、「がん臨床研究」の我が国における先端をゆく公的専門組織として、さまざまの臨床研究の推進を図るとともに、臨床研究における、IRB事業などをはじめとしたノウハウを提供してゆくことも使命と考えております。
 そのような現況の下、私ども財団として、以下のことがらなどを見据えた事業を展開することが重要ではないかと考えております。

 まずは当然ながら、当財団のメインの事業である、公益活動としての臨床研究の推進であります。様々の制約の厳しい中で、より質の高い、また実効性のある、そして何より、がんの集学的治療の進歩にきわめて有用で、患者さんにその恩恵をもたらすような、研究の展開が、今までも夥しい数の素晴らしい成果が成し遂げられては来ましたが、さらにその内容が問われることとなり、それにこたえるべき事業の推進が求められます。そのためには、医師主導臨床試験を実施するためのプロトコールの作成と遂行ができる資質に富んだ医師の参画と、その育成を図る必要があります。そして、当財団における、臨床研究開発・推進委員会の更なる活性化とその活用を図ってまいることが重要と思います。
 次に、データベース事業の推進であります。現在はまさに「ビックデータ」の時代ともいえ、医学の世界においても様々の領域で展開されております。がんの領域においても、各施設が遂行している治療のデータを、最近急増している高齢者やさまざまの合併疾患を有することで臨床試験に登録が困難な患者さんも含めた、「リアルワールド」の貴重なデータをきめ細やかに集積、解析することによって、きわめて有用な質の高いエビデンスが得られる可能性があります。幸い、当財団には今日まで多くの方々の並々ならぬご努力に基づいた、膨大なデータの蓄積もございます。これまでのデータ、そして新たに創出されるデータを精力的に解析するこのデータベース事業の推進には、すでに着手しておるところですが今後更に全力を尽くしてまいります。
 更に医療機器など、薬剤に限らずに幅広い視野で臨床研究を推進してまいることも重要と認識致しております。
 そしてこのような事業を展開してゆくには、財政基盤の充実と安定が前提となることは言をまちません。多くの施設、企業、さらには公的資金の獲得も視野に入れた運営に努力を重ねてまいる所存です。
 皆様のご指導、ご教示そしてご理解を賜りながら、本財団の発展、ひいては我が国のがん医療の更なる発展に微力ながら全力で寄与致したいと考えております。皆様、何卒宜しく御願い申し上げます。