(公財)がん集学的治療研究財団 メールマガジン「JFMCからのメッセージ」 vol.28
 
今月のコラム
 
評議員 谷下一夫

公益財団法人
がん集学的治療研究財団
評議員 谷下一夫

医療機器開発に目覚めた日本


医師の方々が医療現場で使われている医療機器の多くは、外国製であることを、財団の先生方もよくご存知かと思います。特に、治療機器に関しては、圧倒的に輸入超過で推移しております。2018年の経産省の資料では、診断機器分野では、日本は一定の国際競争力を持っているが、治療機器では総じて国際競争力が弱いと指摘されています。実は、このような事は、20年以上前から指摘されておりましたが、特段の対策が講じられて来ませんでした。しかしながら、最近様子が劇変しております。2015年に、AMEDが設立されて、医療機器開発に大きな補助金が支出されるようになり、優れた成果が出始めています。さらに地方自治体の動きも活発になり、AMED設立とほぼ同時期に東京都が医工連携HUB機構を立ち上げ、埼玉県でも医療イノベーションプロジェクトが始まりました。東京都と埼玉県も、医療機器開発に多額の補助金を支出しています。財団会長の北島政樹先生がとりまとめをされているAMEDのCiCLEという事業でも多額の補助金が支出されています。さらに、全国的に医療機器開発に対する動きが顕著になってきまして、夫々の地域のものづくり産業の力を医療機器産業育成に活用しようと全国の地方自治体が頑張っております。筆者も、医療機器委員会の委員である柏野聡彦氏と共に、全国での医療機器開発セミナーなどで講演させて頂いておりますが、夫々の地域の方々の医療機器開発に対する本気度が極めて高いという事を実感致しました。筆者の専門は、機械工学ですが、1975年に人工心肺の研究で博士課程で学位を取得させて頂きました。それ以来、医工学という分野で研究を続けてきておりますが、このような動きは初めての経験です。正に、日本が医療機器開発に目覚めたという印象です。このような動向に対して、医工学に取り組んで参りました筆者としては、この上ない喜びを感じております。ただ、大変心配しておりますのは、医療機器開発に対するこれほどのサポートがあるにも関わらず、優れた開発成果が出なかったら、恐らく二度とこのような好機は訪れないのではという事です。そこで、日本での医療機器開発が遅れた最大の原因は何かと考えてみる必要があります。長年医工学の研究に取り組んで来ました筆者のつたない経験で申しますと、最大の原因は、医療者の先生方とものづくり工学者との乖離ではないかと思います。そのためかAMEDや東京都医工連携HUB機構では、医療現場とものづくり現場を繋ぐための様々なイベントを企画実行しています。そのような観点で財団を拝見致しますと、財団は日本全国の多くのドクターと医療機関のネットワークを有しています。これは正に財団の宝物です。この宝物が、医療者とものづくり工学者との乖離を埋める力になるのではないでしょうか。特に国際的に競争力が弱いとされている治療機器の開発では、医療現場とものづくり現場との密な繋がりが必須となりますが、それを実行するための宝物を既に有しているのが本財団です。このような時期に、財団に医療機器委員会が設立された事は、何か時代の流れと考えてもよいのかもしれません。

第19回理事会を開催しました
会場風景1
2019年3月12日(火)に当財団の第19回理事会が開催されました。 本理事会では下記の審議事項及び報告が行われました。

審議事項
第一号議案:2019年度事業計画並びに収支予算について
第二号議案:役員候補選出委員会 委員選任について
第三号議案:本財団事務局運営組織等について
第四号議案:新規委員会設置及び各種委員会の検討について
第五号議案:第4期委員会委員の選任について

報告事項
1. JFMCデータベース事業について
2. 医療機器委員会について
3. 市民公開講座開催について
4. 現在進行中の臨床試験について
5. 臨床研究法施行に伴う対応について
6. 今後の会議日程について
7. その他 事業担当理事制について

★過去の理事会議事録についてはこちらからご覧ください

★過去の事業報告についてはこちらからご覧ください

 
第5回 医療機器委員会 を開催しました

会場風景

去る2月20日に第5回医療機器員会が行われ、中尾浩治委員長、谷下一夫副委員長をはじめ、顧問・委員・アドバイザーにご出席を頂き、2019年度の事業計画にについて審議を致しました。
今後は、事務局とワーキンググループ内で具体化し、計画実施に向け、協議をを行います。
本医療機器の新たな展開については、追ってご報告申し上げます。


 
市民公開講座講演会が開催されました
会場風景

2019年2月6日(水)に「少酒ではじめる生活習慣病・がん予防」をテーマに市民公開講座を日比谷コンベンションホールにて開催いたしました。当日は、当財団の前原喜彦理事長が開会の挨拶をさせて頂き、「アルコールとお口の健康」と題し、日本歯科大学口腔外科 教授 小林隆太郎先生から口腔衛生と口腔機能の維持・向上の大切さについてご講演を頂き、「少酒とがん予防」と題し、国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究部部長 井上真奈美 先生からは、大量飲酒が習慣になると、肺がん、大腸がん、乳がんのリスクが上昇するというデータに基づき、ご講演を頂きました。毎年、大変興味深いテーマで、年々来場者は増加傾向にあり、今年も大変ためになる市民公開講座となりました。

本年よりご講演内容は動画でご覧頂けるようになりました(期間限定)

★詳細についてはこちらからご覧ください

 
当財団の症例集積状況
 
  JFMC49-1601-C5  症例集積中です!
      食道癌患者へのDCF療法時における成分栄養剤の口腔粘膜炎抑制作用の検討
      −エレンタール©非投与群を対照群としたランダム化第Ⅲ相比較臨床試験(EPOC2 study)−
 
詳細をみる
 
 

      ★今まで行われた当財団の臨床試験一覧についてはこちらから(詳細がPDFでご覧いただけます)

 
 
寄付支援のお願い
 
本財団ではQOL(Quality of life)を最優先にした「患者に優しい治療法」を確立するために臨床試験をおこなうことを主な使命とし、今後のがん患者さんの福音のために、その役割を果たしていく所存です。そのためには、皆様からのご支援、ご援助、ご理解が必要であります。
 
詳細をみる
 
感謝を込めて
 
ご協力を頂きました企業様には、ご支援のお礼を兼ねて各企業様のロゴマークを当財団の季刊誌であります、「がん集学財団ニューズ」や刊行物、ホームページに掲載させて頂き、御社のロゴマークから御社のホームページにリンクを貼らせて頂きます。
ご興味のある企業様はこちらから、下記メールアドレスまでお問い合わせください。          
 
 
お問い合わせ先・その他
本メールマガジンは、当財団の臨床試験にご参加頂いているご施設の先生方、役員、委員、寄附・賛助会員の皆様へ配信をしておりますが、(1カ月に1回程度の配信予定)お知り合いの方々にもご転送を頂きましてより多くの皆様に、当財団の活動をご覧頂けますと幸いです。

・新規メールマガジン登録・配信先メールアドレスの変更は、こちらから
・当財団のプライバシーポリシーはこちらから
・メールマガジンバックナンバーはこちらから

※配信停止を希望される場合は、こちらから

発行元:公益財団法人 がん集学的治療研究財団
〒136-0071東京都江東区亀戸1-28-6タニビル3F
TEL:03-5627-7593 / FAX:03-5627-7595
E-mail: merumaga@jfmc.or.jp
HP: http://www.jfmc.or.jp/
Copyright © 公益財団法人 がん集学的治療研究財団 All Rights Reserved.