謹啓
時下益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
陳者、公益財団法人がん集学的治療研究財団は1980年に厚生省(現厚生労働省)の認可を受け、更に1981年には試験研究法人として承認された公益法人であります。財団設立以来、がんの集学的治療に関する臨床研究や臨床試験の企画、推進と、臨床試験に携わる医師および医師を事務的な面で補佐する臨床試験施設データマネージャーの養成と研究参加施設への配置、および臨床試験の基礎部門に相応する一般研究助成事業等を主な業務として、公益法人の責務を果して参りました。
公益財団法人がん集学的治療研究財団では、癌薬物療法において、ヒト癌の多様性から単剤での治療完結は困難で多剤併用が基本であること、ヒト癌は慢性疾患的に経過するため長期間に亘る治療の継続が必要であること、治療継続のためには薬剤投与法の工夫を含めた有害反応軽減策が重要であること等を考え、これを「患者に優しい癌薬物療法の展開、プロジェクトX」として、当初目標を5年に設定した臨床試験を体系的に遂行する長期計画を立案致しました(別紙、 趣意説明書参照)。
また、プロジェクトXの各論の企画・立案は、EORTCに準じて改変、再編成した組織(別添資料「臨床研究の進め方」)によって行うこととし、臨床試験の名称を従来の「特定研究XX」からJapanese Foundation for Multidisciplinary Treatment of Cancer (JFMC) XX-03-01の様に変更し、その運用はISO 14001に準拠したPLANしてDOし、再度CHECKしてACTIONするPDCA方式で行います。即ち、臨床試験の「妥当性」、「有効性」、「適切性」を常に厳守しながら見直しを行い、アウトカムを適切に評価し、有効性が示唆されない場合や社会情勢に適合しなくなるなど、研究が当初の目的に沿わない情態となった場合には、試験を即座に中止する方策を取り入れた訳であります。
今回、公益財団法人がん集学的治療研究財団がプロジェクトXとしてここに示した臨床試験は、多くの癌患者様に限りない福音を与えるものと信じております。しかし、公益財団法人がん集学的治療研究財団が置かれている現在の財政(資金)面から見てプロジェクトXの遂行は不可能であります。そこで、広く一般に寄付を呼びかけるべく募金活動を展開することを企画いたしました。大変不躾なお願いではございますが、本趣旨に是非ご賛同頂き、ご支援、ご協力を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
末筆ながら貴台の益々のご健勝とご活躍をお祈り申上げます。
謹言
平成15年11月吉日
公益財団法人 がん集学的治療研究財団
理事長 佐治 重豊
Ⅰ.募金の期間:平成15年11月1日から平成18年10月31日
Ⅱ.募金の額 :4億円 個人1口 1万円
法人1口 100万円
Ⅲ.募金の目的:公益財団法人がん集学的治療研究財団の新規事業「患者に優しい癌薬物療法の展開、プロジェクトX」を5年間にわたり推進させるための資金に充てる。
Ⅳ.募金の方法:公募の形で広く一般に呼びかけ、寄付を募る。
Ⅴ.募金の使途:
公益財団法人がん集学的治療研究財団は、新たな事業として「患者に優しい癌薬物療法の展開、プロジェクトX」を提唱し、これを推進、展開させるに必要な資金を広く一般から寄付の形で募集する。
集まった寄付金は、以下の各事業を推進させるための経費に充てたい。
1. | 「患者に優しい癌薬物療法の展開」に要する経費 | 2億4,000万円 | |
2. | 「新しい癌治療法の開発」―トランスレーショナル・リサーチの展開―に要する経費 | 1億1,250万円 | |
3. | 臨床試験の迅速な遂行と精度向上を目指した「施設DM」の養成に要する経費 | 4,750万円 | |
合 計 | 4億円 |
Ⅵ.募金の使途明細
研究助成金 | 590 | 万円 |
施設DM助成金 | 500 | |
会議費 | 200 | |
旅費交通費 | 250 | |
データ収集費 | 1000 | |
データ解析費 | 800 | |
血中濃度測定費 | 600 | |
通信費 | 120 | |
印刷費 | 180 | |
消耗品費 | 60 | |
企画立案費 | 50 | |
企画検討費 | 950 | |
謝金 | 300 | |
雑費 | 200 | |
その他 | 200 |