第3次対がん総合戦略研究事業

厚生労働科学研究費補助金(第3次対がん総合戦略研究事業)とその内容

 

1.研究課題名(公募課題番号):

バイオマーカーを導入した原発性乳癌の集学的治療アルゴリズムの構築と意思決定過程の定式化に関する研究(18170601)

 

2.研究事業期間:

平成18年4月1日から平成21年3月31日

 

3.研究要旨:

財団法人がん集学的治療研究財団で実施しているJFMC34-0601「ホルモン陽性StageⅡ,ⅢA,閉経後乳癌に対するエキセメスタン24週間術前治療の有用性の検討(臨床第Ⅱ相試験)」の付随研究として、エキセメスタンによる術前ホルモン療法で得られる腫瘍内および血清中の蛋白質およびペプチド発現変化をProteinChipTMを中心としたプロテオミクス解析システムで解析し,腫瘍縮小効果と長期予後改善効果のそれぞれと相関するピークの抽出とその同定を目的とする研究を実施する。

 

A.研究目的

ホルモン陽性StageⅡ,ⅢA,閉経後乳癌を対象にしたアロマターゼ阻害剤による術前ホルモン療法の臨床的効果(腫瘍縮小・長期予後改善)、組織学的効果の予測を目指した分子マーカーの同定を主目的とする。副次目的としてアロマターゼ阻害剤による副作用発現と相関する血清中分子マーカーの同定およびアロマターゼ阻害剤の腫瘍組織中、血清中作用メカニズムを解明する。

 

B.研究方法

対象となる症例は,(財)がん集学的治療研究財団で実施する多施設共同研究JFMC34-0601「ホルモン陽性StageⅡ,ⅢA,閉経後乳癌に対するエキセメスタン24週間術前治療の有用性の検討(臨床第Ⅱ相試験)」に参加する症例で,腫瘍組織の一部と血液の提供が可能であり,本研究への参加に文書で同意している症例である。エキセメスタン24週間術前治療の前後に針生検により腫瘍組織を採取し,パラフィン包埋標本およびRNAlater処理後凍結組織,未処理凍結組織とする。エキセメスタン投与開始前および4週後,12週後,24週後に血清を採取する。パラフィン包埋標本は薄切後免疫染色をし,細胞増殖や細胞死に関するマーカー,細胞の走化性や遊走能に関するマーカー,ホルモンや膜受容体関連因子の発現状況を解析する。RNAlater処理後凍結組織および未処理凍結組織を用いて,大規模マイクロアレイ(affimetrix)による包括的発現検索,エストロゲン応答性遺伝子群の発現解析を行う。血清は蛋白質解析システムによる発現プロファイル探索を行い,治療前後および治療過程における蛋白質発現ピークの比較解析を行う。

 

C.研究成果

JFMC34-0601には全国から37施設が研究参加し,116症例が登録され,2008年12月末で症例集積を終了した。JFMC34-0601の付随研究である本研究には15施設から74症例(付随研究同意取得率63.8%)が登録された。トランスレーショナルリサーチ委員会(2008年1月25日開催)において本研究での評価項目が協議され,プロトコールの改訂を行った。